ATOK 2007には金を払うだけの価値があるのか?

当日記を始めたこともあり、比較的長文を入力する事が多くなってきたので、日本語入力環境を改善しようと思い、ATOK 2007を導入してみた。ATOK 2007はDL版が6,615円で販売されているが、Amazonでパッケージ版が6,520円で販売されておりなぜかパッケージ版のほうが安いという変な状況になっている。2月15日付エントリで触れたように、Amazonの場合、3%のポイントがつく上、Amazonクレジットカードを使えば、Amazonカードポイントが2%つくので差はさらに広がる。そんなわけで資源の無駄だがパッケージ版を購入した。本来DL版はもう2,3割安くすべきだと思う。

ATOK 2007 for Windows

ATOK 2007 for Windows

筆者は今までATOKを利用したことがなく、ずっとWindowsに標準搭載されているMS-IMEを利用してきた。変換候補に関しては特に不満もなく利用してきたのだが、ATOKが有する推測変換に惹かれたのだ。推測変換は、携帯電話においてよく利用されている予測変換に似た方式だが、なぜPC用のIMEで同様の機能がデフォルトで提供されないのかずっと不思議に思っていた。IME 2007では予測入力が提供されるようだが、IME 2007が付属するOffice 2007もVistaも購入予定がないので、ATOK 2007の導入に踏み切った。

[f:id:LM-7:20070221000628p:image]筆者はブラインドタッチができるので、全文字入力も特に苦ではない。しかしそれでも省入力/推測変換は非常に便利だと感じた。たとえば昨日のエントリだと、S.M.A.R.Tという単語を何度も入力することになったのだが、最初の1文字Sを入力してTabを入力すれば省入力候補にS.M.A.R.Tが出るのは一度慣れると手放せない(Shiftキーを複数回押す必要があるので全入力は面倒)。

ATOKキーバインドには慣れないので、最初にMS-IME標準をベースにWnn風にカスタマイズしたキーバインドにカスタマイズするのに長時間費やすことになった。純然たるMS-IMEキーバインドでもWnnキーバインドでもないので結局自分で一つ一つ設定することになった。最終的には若干今まで慣れてきた動作と異なる動きをする部分が残っているが、概ね違和感のない操作が行えるようになったので満足している。十分なカスタマイズ性を備えていると言えるだろう。欲を言うならば、MS-IMEのカスタマイズ設定をそのまま引き継ぐようなモードがあればなお良かったのだが(MS-IMEの登録単語は引き継ぐことができる)。

漢字変換効率に関してはMS-IMEも必要最低限を満たしていると思うので、それほど大きな差は感じない。しかし、日本語入力を行うに当たり、かゆいところに手が届くインタフェースの洗練度はATOKに一日の長があるように思う(本来IME 2007との比較でないとフェアでないが、筆者はIME 2007は使ったことがないのでご容赦願いたい)。ATOKの有効/無効を切り替えると、カーソルの下に現在の動作モードを示す半透明のツールバーが表示されるのは、動作モードを確認できるので便利である。最初はATOKの意味不明なキーバインドに戸惑い、なぜかアルファベットしか入力できないモードとか、カタカナしか入力できないモードとかになって困ったのだが、この表示があるおかげで何が悪いのかということを早期に把握することができた。

OSにそう悪くはないIMEが標準搭載されている状況において、6,000円以上するATOKを改めて導入する価値があるかという点に関してだが、予測入力機能をもつIME 2007以前のバージョンを使っている人で、かつ、IME 2007の(OfficeやOSのおまけとしての)入手予定がない人ならば、購入する価値は十分にあると思う。特に省入力/推測変換機能は一度使い慣れると手放せなくなる機能だ。文字入力が比較的苦手な人の場合、文字入力のスピードが大きく向上することが期待できる。比較的長文を入力する機会が多い人は導入を検討すべきだと思う。もうちょっと安くて、もうちょっと一般ユーザの目にとまるところにあれば、ユーザの数はずっと増えて、Justsystemの経営ももう少し楽になるだろうに。