アイデアノートを使いたい!

LM-72007-03-30


ITmedia Biz.ID:新人諸君に告ぐ――まずはノートを買おうの内容が非常に示唆に富んでおり、久しぶりにアイデアノートをつけなければならないと強く思った。アイデアマラソン研究所の樋口健夫氏は1984年以来、337冊のノートに26万件以上のアイデアを綴っているという。おそらく彼のノートの中にはすばらしい発想のシーズが多く埋もれているのだろう。そのシーズはあるタイミングで見返され、新たなアイデアを産むに違いない。

有名な話だが、青色発光ダイオードの発明で知られる日亜化学では、全研究者が毎日研究ノートをつけ、上司が確認を行い、会社が管理をしているそうだ。こうすることで誰が発明を着想し、具体化したか、過程をトレースすることを可能にし、後の特許実施報償などにおいて問題が生じないようにしているらしい。特許の件はともかく、毎日研究ノートの記載を義務づけられている日亜化学の社員はきっとアイデアを使い捨てにすることなく、日々の細かなアイデアを積み重ねて革新的なアイデアを得る事に長けているのだろう。

日々多くの事を考えるのに、メモをとっていなければ右から左へ忘れてしまうことになる。それを防ぐためにはノートなどにメモをとっておけばよいと言うことは頭では分かっているのだが、つい面倒でメモをとるのをさぼってしまいがちだ。筆者は仕事でもノートを使っているが、ほとんど判別不能な意味のない文字列が並んでいるだけでとても役に立ちそうにない。ミーティングなどでも重要なことはあとで議事録を見ればいいと思ってしまい、まともにメモをとりさえしないのだ(社会人失格である)。

PCを利用しだしてからというもの文字を書くと言うことが非常に煩わしく感じるようになったという点も大きい。後から検索が出来ない手書きノートを残しておいても仕方がないと思ってしまう事もノートをとらなくなる理由の一つだ。実際には、一生懸命やらない理由を考え出して自分を騙しているだけかもしれないが。

一応PC上でのメモは紙 copiを用いてとるようにしている。紙はファイル名入力不要の自動保存機能を備えており、何かあれば紙を開いて適当に書いて閉じるという使い方が出来る。Googleデスクトップ検索でアクセスすることを前提にすれば、ファイル名をいちいち考える必要はない。

筆者は1999年の紙2001の1stリリース当初から紙を利用しており、すでに8年利用していることになるが、使い方が極めてまずく、断片的な議事メモが散在しているぐらいで、全く情報源としての役目を果たしていない。メールのアーカイブのほうがずっと役に立つという惨状だ。もう少し丁寧に後から見ても分かるようにメモを取るようにしなければ意味がないようだ。

一方、Web上のスクラップにはGoogleノートブックを利用している。Googleノートブックが出るまでは、上述の紙を用いてスクラップしていたのだが、ローカルPCに大量のWebページをスクラップしているとどうしても容量が増えるし、動作も重くなるという弊害が生じる。そのため、無限の容量を持つGoogleノートブックに乗り換えたわけだ。オンラインの利点を生かし、家からでも会社からでもクリップしたページにアクセスできるという大きな利点もある。こちらはぼちぼち様々な情報源のスクラップ帳として育ちつつあるが、もっと充実させていかねばならない。

残念なことにGoogleノートブックは単なるWebのスクラップ帳で、自分の頭の中に浮かんだアイデアのメモは特にどこにも残していない。それでは駄目だと言うことで、本日記"A Successful Failure"は、日々をまったりと過ごしていく中で、全く蓄積されない知識などを少しでも形にとどめておいて後から参照することが出来るようにする目的で始めた経緯がある。開始から3ヶ月、それなりにまとまった情報源として何らかの役に立つようになっているのではないかとは思うのだが、開示できないアイデアも当然あるわけで、本当にメモっておかなければならない重要なことが書かれないという矛盾を孕んでいる。

結局、他人に開示しない自分だけのメモをすぐにとれるような習慣を普段から心掛けてておかなければならないわけで、とりあえず新年度の始まりとして最初は新しいノートを買うところから始めようと思う。きっとそのノートは後々役に立つはずだから。