ブラインドタッチを覚えるたった4つの魔法のコトバ

タイピングに関する調査に関する調査によれば、約4割の人がブラインドタッチ(タッチタイピング)が行えると言う。調査対象は10代から50代まで均等に分布した男女300名であり、若い人に限った話ではなく、中高年も含めての数字だといい、意外に高い。

とはいえ調査結果を見てみると、完璧にタッチタイピングが出来るのはわずか5.7%しかいない。利用する指に関してもすべての指を使う人は全体の55%で、タッチタイピングを完璧に出来ると回答した17人中、すべての指を使う人は11人で残りの6人は我流のようだ。その6人はタッチタイピングが出来るとは言わない気がする。正しい指で全くキーボードを見ずに打てる人はそれほど多くないようだ。

最近はタッチタイピングを覚えるためのソフトが氾濫しているが、それらのソフトを利用して覚えた人は25%ほどと案外少ない。多くは独学ということになるが、それが正しいタッチタイピングを覚える妨げになっているようだ。タッチタイピングのソフトもただ単に出てきた単語を打つだけという感じで、指の動かし方とか配置とかがおざなりになっている例もあるだろう。正しいタッチタイピングが出来ると生産性が大きく向上するので、多少時間がかかっても矯正した方がよい。

タッチタイピングをマスターするのに『短文4つでブラインドタッチができる本―小指もスムーズに動きます (噛んで含める入門書)』という本は、実によく考えられた良書である。残念ながら絶版になっているようだが*1マーケットプレイスでは購入が可能なようだ。とはいえ、この本のエッセンスは短文4つに凝縮されているのでここに紹介してしまおう。この本では次に挙げる4つの短文の入力を繰り返すことでタッチタイピングをマスターしていく。

  1. FだJださあ来いさあ来い(FDAJDASAAKOISAAKOI)
  2. ファジイで粋で最高だ(FAJIIDEIKIDESAIKOUDA)
  3. ここはどこわたしはだれ(KOKOHADOKOWATASIHADARE)
  4. 奥の細道ぼくの近道(OKUNOHOSOMITIBOKUNOTIKAMITI)

最初の文はホームポジションから指を動かさずに打つことが出来るように考えられている。FDAJDAは全く動かす必要が無く、SAAKOISAAKOIのところで上下移動が加わるが、左右への移動は無く、中指と薬指をどう連動させて動かしてキー入力するのかを反復させて覚えることが出来る。ここで重要な点は、正しい指でそれぞれのキーを入力することだ。ここで変な指を使ってしまうと、タッチタイピングの習得にはならない。この本の秀逸なところは、そうした連動した指の動きを短文毎に多くのページを割いて解説しているところであり、どう動けば理想的かという理想形態が理解できるようになっている点だ。ここではKOIの部分が該当し、中指のK入力中に薬指はOに動き、Oの入力中には中指はIに移動している。ここは一息に入力するところだ。この連動がタッチタイピングの肝となる。反復練習をしていると、どんどん無駄な動きが淘汰され、効率的な指の動かし方に洗練されていくだろう。理想的な指の動きが出来るように最初の短文をマスターしたところで、次の文に進む。

以降の文では、前回のおさらいを含みつつも、少しずつ新たな指の動きが増えていく。2つめの文では新たな上下移動が加わり、3つめの文で左右移動が登場する。4つめの文ではBやTへの斜め移動が加わっているが、優しいところから指の動きを指に覚えさせてステップ毎に進むのでそれほど難しくないはずだ。大体これらの短文入力をマスターすれば、日本語を打つためのキー入力はあらかたカバーできている。英語入力をするためには別の短文(4つの短文以外にもいくつか用意されている)で練習する必要があるが、ここまで基本が出来ていれば我流にはならず正しいタッチタイピングがマスターできるだろう。

この4つの短文は、正しいタッチタイピングが段階を踏んでマスターできるようによく考えられているタッチタイピングが行えない人は、この4つの短文を打つ訓練をしてみてはいかがだろう。10日間もやればキー入力速度が速くなって目の疲労も抑えられていることに気づくだろう。

短文4つでブラインドタッチができる本―小指もスムーズに動きます (噛んで含める入門書)

短文4つでブラインドタッチができる本―小指もスムーズに動きます (噛んで含める入門書)

*1:同じ著者の『ワープロ検定にも使える!短文4つでブラインドタッチができる本』という本もあって、おそらく内容は同一の新装版だと思われるがこちらも品切れ中