学ランが駄目ならセーラー服もブレザーも禁止すべき

産経新聞が伝えたところによれば、甲子園の三重県代表、宇治山田商業の野球部応援団は、県大会決勝まで続けてきた学ランと「日の丸」の鉢巻き姿での応援を甲子園で“封印”していたという。

「学ランはもともと海軍の軍服。高校野球という舞台で戦争を思い起こさせるのは不適切だ」という投書がきっかけというが、投書する方も愚かだし、その投書を真に受けて自粛する方も愚かだ。いくら何でも筋違いも甚だしいし、今の時代誰が学ランで戦争を想起するものか。

そもそも学ランが軍服なので禁止すべきというのならば、同じ軍服のセーラー服も禁止すべきではないか。現在のような独特のセーラーカラーのある水兵の制服は、1857年にイギリス海軍が制定した軍服が最初とされ、各国海軍がイギリス海軍に倣いセーラー服を採用したのが始まりだ。学ランの詰め襟が陸軍の軍服、セーラー服が海軍の軍服という訳だ。

さらに高校の制服としても採用されることのあるブレザーだが、こちらも軍起源だ。1837年、英海軍の軍艦ブレザー号(HMS Blazer)が当時の女王ヴィクトリアの観閲を受ける際に、乗組員全員がネイビーブルーのダブルのスーツで揃えた。これに倣って他の艦でも制服として採用したのがブレザーの起源とされる。そのためブレザーも戦争を想起させるので禁止すべきだ。

さて、バッターが着用するヘルメットだが、これも元はといえば兵士の頭部を保護するために発明された革や青銅製のヘルメットが起源といえる。バットは古来からの殴打用の武器である棍棒が起源といえるだろう(これは苦しいか?)。そんなわけで、ヘルメットもバットも禁止だ。

馬鹿馬鹿しいにもほどがある。