せかいのはんぶんをおまえにやろうと中国は告げた。

中国「よくぞ来た アメリカよ!
わしが王の中の王 中国である。
わしは待っておった。そなたのような若い国が現れることを。
もしわしの味方になれば世界の半分をアメリカにやろう。
どうじゃ?わしの味方になるか?
 はい
→いいえ
中国「どうした?世界の半分を欲しくはないのか?悪い話ではあるまい。
 はい
→いいえ
中国「ではどうしてもこのわしを倒すというのだな!
おろか者め!思い知るがよいっ!

産経新聞が伝えたところによれば、キーティング米太平洋軍司令官が最近訪中して中国軍事当局者と会談した際、中国側が、太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理することを提案したという

この驚くべき提案に関する元記事はワシントンタイムズの"Inside the Ring"であり、次のような事実が記載されている。

Some pro-China officials in the U.S. government, including in the intelligence community, are said to favor the Chinese proposal. But defense officials say such appeasement would be a huge mistake since it would be tantamount to giving China complete hegemony in the western Pacific, a move that would severely undermine U.S. alliances in Asia and threaten the neutrality of vital sea lanes.

Inside the Ring - Washington Times

驚くべきことに、情報機関を含む米政府内の親中派の間では、太平洋を米中2国間で分割統治するという中国の提案を前向きに捉えるものもいたようだ。竜王の提案に「はい」と答えかけたのである。しかし、もしそのような譲歩をすれば、中国に西太平洋の支配権を与え、アジアにおけるアメリカ同盟を弱体化し、重要なアメリカのシーレーンを脅かす危険性があるため、賛同すべきでないという判断となったようだ。

ここで注意すべきは、アメリカの判断プロセスにおいて、中国の支配下に置かれるアジア諸国に対する配慮は一切なされていないという点である。アメリカは自国の権益が脅かされるのを嫌って、中国の提案を蹴ったに過ぎない。自国の権益が脅かされない保証があれば、中国の提案に乗ることもあり得るのだ。アメリカに高潔な世界の警察の役割を期待するのは楽観主義者だけだ。




上図は中華民国九十五年国防報告書に記載されている2020年目標の中国の軍事力の投射計画を示したものだが、東経165度までの範囲に軍事力を投射する意図が明確に示されている。日本にとっての生命線とも言えるシーレーンが中国の介入によって切断されることになると、石油などの天然資源をシーレーン経由の輸入に頼っている日本は息の根を止められることになる。これだけはなんとしても回避しなくてはならない。

太平洋の支配に関する重要な議論が、日本を除く二国間で行われる状況は非常に怖い。日本が睨みを効かせている限り、いくら軍備をそろえたところで何もできないということをアピールしなければならないだろう。国力の関係上、日本一国でそれをなす事は不可能であり、どうしても世界最強の軍事力を有するアメリカを味方に引きとどめておく必要がある。対米従属に陥らず、アメリカとの関係を良好に保ち、強化していく戦略が重要であるように思われれる。

竜王の誘いに乗って与えられる世界の半分は闇に覆われ、幸せな世界など望めないことを世界に訴える努力を忘れてはならない。