アメリカはいつになったら国際単位系へ移行するのか

LM-72007-08-27


POP*POP世界でメートル法をつかっていない国はたったの3国』に示されているように、現在世界中でヤード・ポンド法の利用が禁止されていない国はアメリカ、ミャンマーリベリアの3カ国のみである。ただし、ミャンマーリベリアの2国はヤード・ポンド法の利用が禁止されていないだけで、民間主導でメートル法への移行が進められており、ヤード・ポンド法はほとんど利用されていない。

つまり、メートル法を利用せず、ヤード・ポンド法を未だ使い続けているのはアメリカ一国のみといっても過言ではないのである。元々ヤード・ポンド法英語圏で利用されてきたが、本家であるイギリスは1995年に国際単位系に移行、2000年以降はヤード・ポンド法の利用を禁止している。

アメリカはメートル条約の原加盟国であるにも関わらず、未だヤード・ポンド法の利用を禁止しておらず、いつまでもずるずるとヤード・ポンド法を使い続けている。そのせいで、アメリカの影響力の強い航空宇宙分野では未だにヤード・ポンド法が利用される場合も多い。

そもそもほとんどの国では国際単位系の利用が義務づけられており、時間 (s)、長さ (m)、質量 (kg)、電流 (A)、熱力学温度 (K)、物質量 (mol)、光度 (cd) を使うことが世界の常識といっても良い。それにもかかわらず、アメリカは世界でただ一国ヤード・ポンド法をいつまでも利用し続けている。個人的には華氏の利用も即刻やめてもらいたいところだ。

世界中の多くの国は多大な努力により国際単位系への移行を進めてきた。日本も1959年の計量法の制定によりメートル法の利用が義務づけられ、それまで利用されてきた尺貫法の利用が禁止された。単位系の移行には多くの反対があっただろうし、多大な困難が伴ったことだろう。それでも外国とつきあうマナーとして、国際ルールの履行を断行したのだ。

アメリカにも国際単位系に移行できない様々な国内事情があるのだろうが、自国だけが独自の単位系を利用し続けることは国際上障害が大きく、可及的速やかに是正する努力をすべきだ。特にアメリカは唯一の超大国として、様々な面で自国の利益を優先し我を通す場合が多いように感じられる。アメリカは超大国であるが故に、自分が相手にあわせなくても、相手があわせてくれるのである(あわせざるを得ない)。

国際協調を標榜するのならば、そろそろ自分から周りにあわせる努力をしてみても良いと思うのだが。