なぜ現役時代になかったのか

朝日新聞の伝えたところによれば、各地の大学で1日1,000円までなら1年間食べ放題になる「ミールカード」の導入が進んでいるという。値段は15万円。食費を切り詰めがちな学生にとって、確実に食事にありつけるミールカードは大変ありがたいものだろう。ミールカードを導入している香川大学では新入生の1/4が利用しているようだ。

 カード導入のきっかけは、学生の食生活の乱れにあった。00年に中・四国地方大学生協が大学生約50人に、1週間の食事を写真に撮ってもらったところ、3食しっかり食べている学生はほとんどおらず、1週間のうち5日はファストフードだったり、お菓子で食事を済ませたりする学生もいたという。

 「このままではいけない」。香川大学生活協同組合フードサービス部の柳原昌憲店長が学生たちの食生活を改善しようと、02年度に「ミールプラン」を導入し、栄養バランスなどを考慮したメニューを提案。ミールプランを支えるシステムとして、ミールカードが作られた。一人暮らしの学生たちが家庭と同じような食事をとることができる食堂を目指し、いまでは豆腐ハンバーグに肉じゃが、炊き込みご飯など70〜80種類のメニューをそろえる。定番メニューのほか、月ごとに「九州、沖縄フェア」などといった現地の食材を使った料理を提供している。

http://www.asahi.com/food/news/OSK200709180005.html

学生の食生活が劇的に改善されることが容易に想像される。逆に自分の好きなものばかり食べてしまって、体重を増やしたり健康を損ねたりするものが出ないか心配なぐらいだ。ミールカードでググると、記事で紹介された香川大学の他にも、長崎県立大学北九州市立大学北海道大学徳島大学広島大学等、多くの大学でミールカードが導入されていることが分かる。結構一般的なサービスのようだ。

システムはだいたい同じで15〜17万円程度の料金で、1日1,000円〜1,200円程度が食べ放題になるというもの。メニューやカロリーなどのログ機能も提供されるようだ。生協の営業日は年間215日前後となるが、1日800円で200日使えば元が取れる。もっともこのシステムは元を取るという考え方ではなく、いつ何時でもバランスのとれた栄養摂取が保証されるという効果を重視すべきであり、この点こそが最も学生にとって重要な要素だと言えよう。

なぜ筆者が学生の時に同様のシステムがなかったのか残念でならないが、健康によいとはとても思えない食生活を送っている独身社会人向けにどこかが同様のサービスを提供してはくれないものだろうか。