子供が携帯に月12万使ったらどうするか

長女が月に12万円も携帯電話料金を使い込んだことに腹を立て、母親が長女に暴行され逮捕された事件が起きた。10月分の電話代が12万円を超えたため、携帯を長女から取り上げ、弟に使わせていたが、長女が隠れて利用していた所を発見し、暴行を加えたという。事件はこの後長女が近くの交番に助けを求めたことで発覚した。

しかし12万円である。J-CASTによれば、各キャリアとも普通に利用していればそんな額にはならないはずと主張している。データ通信をメインに利用したとしても定額制を利用していればずっと安くすんだはずだ。おそらく何も考えず従量制のプランを利用していたのだろう。プラン選択に問題があった公算が大きい。

一方で12万円という金額の重みを長女が理解していたのか疑問が残る。月に12万円も携帯代で取られれば通常の家計ならば生活に甚大な影響が出る。子供の携帯代としては多くの場合5,000円を超える分は自腹、最大でも1万円というところが相場らしい。家族割や年間割引、定額プランを利用すれば派手な使い方をしてもこの程度だろう。12万円という請求を見て、母親が腹を立てたのはもっともだ。長女への暴行も躾の範疇に含まれる程度であったのかも知れない。少なくとも長女の行為はまだまだ幼い。

最近のモバゲーの普及に見られるように、携帯電話は中高生のコミュニケーションにおいて必要不可欠のツールとなっている。学校のクラスごとに掲示板があり、1日に何度も読み書きを行う(授業中であっても!)。リアルで話している間にも携帯電話を開き、サイトから話題を拾う。こうした状況下において、携帯電話を子供から取り上げるという母親の対応には問題があったと言える。長女が隠れて携帯電話を利用したのは、コミュニケーションのために必要だったからに他ならない。

望ましい対応は、携帯電話の料金プランを見直し、月々の上限額を定め、超えた分は長女が払うように決めることだった。12万円は時間を掛けて長女が返済するということで良かったのではないか。その返済を経て、いかに自分が無駄金を使ったか骨身にしみて分かるはずだ。

携帯電話は多くの中高生にとってもはやライフラインとなっている。子供が水道代に12万円使ったからと言って、翌月水を一滴も与えなければ死んでしまう。携帯電話も同様で、完全に奪ってしまうことは適切な対応では無い場合が多い。大事なのはコストに見合った適切な使い方だ。