1年半にわたりクズに2億円も献上し続けた行政

呆れるやら情けないやらの気持ちでいっぱいだが、北海道滝川市で片倉勝彦と妻ひとみの両容疑者が、生活保護制度を悪用し、昨年4月から今年10月までの1年半にわたり総額2億円以上を不正受給していたことが判明した。2億円もの血税が一夫婦に給付されて気づかない同市の体制は一体どうなっているのだろうか。

2人はともに身体障害者として認定され、生活保護を受けていたが、生活保護受給者は自家用車の所有が認められていないため、通院が必要な場合、自治体が審査した上で実際に掛かった交通費が支給される仕組みになっている。

 両容疑者は、札幌市の介護タクシー会社役員板倉信博容疑者(57)らと共謀し10月26日からの1週間に6回、自宅から約100キロ離れた札幌市の病院に通院したとの偽書類を作成、1往復当たり25万円、計150万円をだまし取った疑いで道警に逮捕された。

 昨年度、滝川市が交通費を支給したのは60人。その中でも両容疑者の高額さは突出していたという。両容疑者は自宅のほかに、札幌市中央区内で温泉付きの高級マンションを賃借。さらに高級車を乗り回し、高級レストランでの飲食も繰り返していた

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/11/25/04.html

1週間に6回も100km離れた病院へタクシーで移動することを認めるなんて正気の沙汰ではない。1週間で150万円だと、1年半では1億円ちょっとぐらいにしかならないので、さらに何か別の受給理由があったと推察されるが、窓口の人間はいくら何でもおかしいと思わなかったのか。

市民の税金を扱っているという責任感があれば、こうした不自然な受給は決して認められることはなかっただろう。窓口担当者、さらにそれを決裁した人間も含めて、どうせ自分の金じゃないから構わないという他人事的な無責任さがあったのではないか。システム的に今回の不正を防ぐ手段が無かったというのも問題だが、職員の意識の問題としてこれを防げなかったということは、それ以上に大きな問題であると思う。

それにしても2億円もの血税が人間のクズ2人の遊興費として費やされたかと思うとやるせない。日本ユニセフ協会によれば、発展途上国で重度の栄養不良に苦しむ子供達に与えられる、ピーナッツに各種栄養素を加えてペースト状にしたプランピーナッツは1袋約45円。2億円あれば440万食以上を提供することができ、これは1日3食として2,700人の1年半分に相当する。どうせ使うなら2,700人のために使ってほしかった。