ニンテンドーDSによる学習に顕著な効果
読売新聞が伝えたところによれば、中学3年生にニンテンドーDSを利用して英語の勉強をさせたところ、語彙が5ヶ月で4割増えるなど顕著な効果があったことが確認されたという。
ゲーム機は、専用のペンで英単語を画面に記すと、その発音が音声で流れる仕組み。ソフトは東京のソフト開発会社が制作し、1800語が収録されている。同校では、昨年9月から約5か月間、当時の3年生の希望者49人を対象に、英語授業の冒頭10分間にこのゲーム機を使って英単語の学習を進めてきた。
調査は、ゲーム機導入にかかわった上智大文学部の池田真准教授らが実施。生徒を約半数ずつ2グループに分けて今年2月に確認テストを行った結果、1グループの平均語彙数が361語(35・2%)、他方のグループが423語(41・8%)増えていた。
英検3級を受けるのに最小限必要とされる1300語以上に達した生徒は実施前の19%から79%に増加していた。
http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20070524kk02.htm
調査に利用されたゲームはその内容から中学英単語ターゲット1800DSであると思われる。このゲームはシリーズ化されていて、大学入試用や英熟語用なども出ているようだ。結果をよく見てみると、高校受験生が受験直前の5ヶ月で400語、一月あたり80語、1日あたりたった2、3語覚えた程度であり、どこまでがDSによる効果か疑わしい面もある。受験生なのだからDS以外にも単語帳などで語彙の増強は行うだろう。DSを利用しない対照群に対してどの程度の効果があったのか気になるところだ。ただ、8割の生徒の語彙数が1300語に達したという事実は優れた成果であるように思える。
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一方、2007年4月には米国教育省が"Effectiveness of Reading and Mathematics Software Products: Findings from the First Student Cohort"と題したレポートにおいて、「教育ソフトの効果は特に見られない」と結論づけている。今回の報告は、米国教育省の結論と真っ向から対立するように思える。
ニンテンドーDSのゲームが一般的な教育ソフトに対して有しているアドバンテージと言えば、
- ゲーム的な面白さに基づく生徒へのモチベーションの付与
- いつでもどこでも学習できる可用性
の2点であり、まさにこの2点が有利に働いたと考えられる。
筆者が中学生の頃には手書きで単語カードを大量に作成し、その作成だけでテスト勉強時間の大半を消費していた気がする。最近はDS向けに多くのソフトが出ている上に、メモリボを利用して自分専用の暗記カードデータを作成することもできる。明らかに学習効率は昔に比べて向上していると言える。
ついついゲームで遊んでしまうという誘惑にさえ負けなければ。