普通なら女の子をちゃん付けで呼んでもパワハラにはならない。

スポニチが報じているように山梨大学の50代の男性教授が、女子学生を「ちゃん」付けで呼び不快な思いをさせたのはパワーハラスメントパワハラ)に当たるとして、山梨大学は同教授を減給処分とした。痛いニュースでもいくら何でもこれはないだろうとの意見が多勢である。

ところがZAKZAKの続報によれば、この処分はいわば別件で裏には別のもっとやっかいな問題があったらしい。この教授、4年前から様々な問題行動が指摘されていたいわば札付きの教授で、業を煮やした一部の学生が教授追放を目指して、女子学生の案件を攻撃材料として利用したらしい。山梨大学理事の一人は次のように証言している。

 「これは完全に“別件”。こんな理由だけで、国立大学長が処分を発令するはずないでしょう。該当の教授は、4年前からさまざまな問題行動が指摘されましたが、証拠や証言がそろい、本人も認める『罪状』がこれしかなかったということ。理事会は別の理由で、もっと厳しい処分を出すことも検討していました。背景は複雑です」

 理事によると、教授への“疑惑”は、(1)研究費として学生が受給した経費を還元させる「資金流用」(2)研究室所属の大学院生が博士号を取得していないにもかかわらず、取得したとする推薦状を企業に提出し、就職実績を優位にしようとした「公文書偽造」(3)常に威圧的で、学生を小ばかにした口調で指導する「アカハラ」−があった。

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_12/t2007120518_all.html

資金流用や公文書偽装は事実としたら大問題だが、14回にもわたる聞き取り調査を持ってしても裏付けが取れなかったというのは大学側の調査の限界か。最終的に客観的な事実の裏付けが取れる「ちゃん」付けによるパワハラにより減給処分で手打ちとなった。もっとも、件の教授は退職願を提出し、来年3月までに首都圏の私立大に移籍すると言うから、学生側も教授追放という実を勝ち取ったということになる。学生達のクーデターは見事成功したのだ。

個人的には常に威圧的で学生を小馬鹿にした口調で指導する態度にも不快感を覚える。こうした人に指導を受けたくは無いし、学生を指導する教育者としてどうかと思う。そういう意味ではパワハラによる処分というのは的を射たものかも知れない。

普通なら女の子をちゃん付けで呼んでもパワハラで処分されることはない。女性が不快に感じたのなら指摘を受けてその場で修正すれば済む話だ。単に、この教授は普通でなかったということである。