Vista/Windows 7のキーボードカスタマイズ問題がついに解決

本日、コードサイニング証明書を付与しWindows 7 x86, x64に対応したキーボードカスタマイズソフト『のどか』Ver.4.10が公開された(http://d.hatena.ne.jp/applet_at_h/20091018/1255852743)。Vista/Windows 7への移行の妨げとなっていたキーボードカスタマイズ問題はここに解決されることになった。

Vista以降のWindowsにおいて全てのカーネルモードコードに個人では取得不能なコードサイニング証明書が必須とされたことに起因する、キーボードカスタマイズ問題に関して当blogでは継続的に扱ってきた(Vista/Windows 7におけるキーボードカスタマイズ問題 - A Successful Failure)。XPでは『窓使いの憂鬱』により実現されていた強力なキーボードカスタマイズがVista以降では実現できず、特定のユーザ層にとってはVista/Windows 7移行の大きな障害となっていたのである。

個人ではコードサイニング証明書を取得できないという問題に対し、applet氏が取ったのは法人を設立することだった。法人化およびコードサイニング証明書の取得には多額のコストがかかるため、のどかはシェアウェア化(1,800円)された。このたび、ようやく必要な資金の目処がつき*1、法人設立の諸手続、コードサイニング証明書の取得作業が完了したようだ。Windows 7の発売前に、Windows XPレベルに匹敵するキーボードカスタマイズ環境がついに整備されたのだ。



窓使いの憂鬱 Vista対応パッチ のどか
バージョン 3.30 3.30.1 4.10
設定ファイル名 .mayu .mayu dot.nodoka
Windows 2000, XP
Windows Vista x86
注2, 4

注3, 4
Windows 7 x86
注2, 4

注3, 4
Windows XP x64 ×
注5

注1, 7
Windows Vista x64 ×
注5

注1, 3, 4, 6, 7
Windows 7 x64 ×
注5

注1, 3, 4, 6, 7
注1: 突然ブルースクリーンになる。
注2: IIE7 保護モード有効では、IE7が異常終了する。保護モードもしくは、ユーザアカウント制御を無効にする必要がある。またキーマップはGlobalとなる。
注3: IE7,IE8ともに 保護モード有効でも、IEは異常終了しないが、キーマップはGlobalとなる。
注4: 管理者権限で起動すると、管理者権限で動作しているアプリの操作が可能となるが、他の標準権限アプリのキーマップがGlobalとなる。
注5: 動作不可。
注6: デバイスドライバに署名が無い。
注7: 64bitアプリの操作時には、キーマップはGlobalとなる。

上表(「のどか」 Q&Aページからの引用)にあるように従来の『窓使いの憂鬱』、『同Vista対応パッチ』にあった問題点は証明書付き『のどか』によって全て解決している。XPにおける『窓使いの憂鬱』と同様に、特定のキー同士を入れ替えるだけでなく、2ストロークを含む様々なキーボードショートカットを所望のアプリケーションごとに設定したり、各種ウィンドウ操作をキーに割り当てることも可能だ。また、LLフックを用いた実装であるyamy (Yet Another Mado tsukai no Yuutsu)AutoHotkeyに比べて、強力なキーボードカスタマイズを実現している点が大きい。

ここまで来るのに大変なご苦労があったと思う。applet氏のご尽力に感謝したい。

*1:applet氏の人件費を除いても、おそらくまだ赤字だと思うので、キーボードカスタマイズソフトを必要とされる方は是非のどかをレジストしてもらいたい。