1991年東京都知事選に突如降臨した超新人、内田裕也!

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何も言わず内田裕也氏の政見放送を『ニコニコ動画(γ) | 吹いたら負け【政見放送】』でご覧になっていただきたい。彼が多くの泡沫候補とは一味も二味も異なる無限の可能性を秘めた候補であったことが分かるだろう。

NHKアナウンサーによる紹介から怪しさを醸し出しているが、ロックンロールにすべてをささげている内田氏はいきなり歌いだす!今まで、政見放送で歌った候補者が存在したのだろうか?

一曲歌い終わった内田氏は、演説を始めるが、なぜか英語である。海外への渡航暦、東京における音楽の流行の変遷など脈略の無い話が続いた後、次のように彼は述べる。

Ladies and gentlemen,
I'm just only a rock'n'roll, but, I have my passion, I have my heart, I have my justice. I don't have no idea, but I have my rock'n'roll story. Please listen.

超訳すると次のようになる。

レディース、アンド、ジェントルメン、
俺はしがないロックンローラーに過ぎないかもしれない。しかし、俺には滾る情熱がある、燃えるハートがある、己の信じる正義がある! 俺にはみんなに聞かせてやれるようなすごいアイデアは持ち合わせてないが*1、俺にはロックンロールに捧げた悔いの無い人生がある。みんな、聞いてくれ!

そして再び歌いだす内田裕也(51)!ここで初めて、聴衆は彼が日本語をしゃべれることを知るのだ!

しかし、歌詞は英語の演説内容にもまして意味不明である。どうか誰か意味を教えて欲しい。政見放送は時間前に歌い終わって所在なさげに黙る内田氏をしばらく放映したあと終わる。

Wikipediaには、関連するエピソードが紹介されている。

1991年に東京都知事に立候補、選挙活動を行ったことがある。その際に政見放送で延々ロックソングをアカペラ(「コミック雑誌なんかいらない」などを歌い、英語で主張を演説した。選挙公報は「NANKA変だなぁ! キケンするならROCKにヨロシク! Love&Peace Tokyo」とだけ手書きでかかれた物だった。マスコミへのアピール時に政策をフリップ(放送用の手書きボード)に書き込む事を求められた際、「GOMISHUSHUSHA NO TAIGUU O KAIZEN SURU」(ゴミ収集者の待遇を改善する)と、所々綴りが誤記されたローマ字で政策を書いた。以上、数々の伝説的エピソードを構築する(彼は基本的に記述の際にはローマ字を多用する傾向がある。これは一説には漢字が苦手だからという話があるが、真偽は不明)。この模様は映画「魚からダイオキシン!」にて一部垣間見る事が出来る。
結果、無所属(政党推薦候補除く)ではトップの票を獲得。しかしメディアからは「売名出馬の泡沫候補」と批判されることもあった。

間違いなく内田氏は東京都を変える可能性がある人物であったと確信する。ぜひ東京をロックンロールで席巻してもらいたかった。

ニコニコ動画の可能性

2ちゃんねる管理人のひろゆき氏がはじめたニコニコ動画(β)。個人的には付加されるコメントの質が酷く、動画に字幕のようにコメントを付けるという試みは失敗だったかと考えていたのだが、上記の『ニコニコ動画(β) | 無所属 内田裕也 (YouTube)』を見て、ニコニコ動画の面白さにはじめて気づかされた。

ニコニコ動画が真の力を発揮するのは、突っ込みどころが満載のコンテンツなのだ。誰もが突っ込まざるを得ないような動画は、ニコニコ動画のコメント付加機能によりその面白さを格段にアップする。ボケまくる動画コンテンツに対し、ツッコミまくる数多のコメント。それらのツッコミをモノともせず(当然ではある)、ひたすらわが道を突き進む動画。

ニコニコ動画の面白さは、ボケ・ツッコミの妙にあるので、全編ツッコミ可能であるコンテンツが望ましい。最後のオチは面白いが、そこにたどり着くまでが長いコンテンツは、ツッコミの間が持たずイマイチだ。ニコニコ動画の可能性を教えてくれた心から内田氏には感謝したい。

*1:原文が二重否定になっているが、言い間違いと解釈