ブログで生活を豊かにするのは並大抵のことではない

LM-72007-09-15


住太陽氏のブログ『ブログを書いて生活を豊かにする裏技』で、ブログは儲かるので皆さんブログをどんどん書きましょうという提言がなされている。エントリは長文だがとどのつまりは、ブログで確定申告の必要な20万円を稼ぎ出せば、日々の雑多な支出を必要経費として計上できるため節税になって生活が豊かになると言う趣旨だ。PCやら本代やらインターネット通信費やらはサラリーマンだと必要経費として計上する機会がないが、ブログ運営が副業として認められれば必要経費として認められる可能性があるという。

問題はブログで20万円稼ぐということが並大抵のことではないということだ。インフォプラントによるブログに関する調査結果によれば、1日の平均のアクセス数は次の通りだ。

アクセス数 割合
5件未満 36.2%
5件〜10件未満 18.3%
10件〜20件未満 15.3%
20件〜30件未満 8.5%
30件〜40件未満 5.4%
40件〜50件未満 3.7%
50件〜100件未満 5.9%
100件以上 6.8%

日々のアクセス数20以下のユーザが全体の7割を占めており、ほとんどのブログは知人友人関係しかアクセスされていないことが分かる。こうしたブログで収益を上げるのはかなり難しそうだ。

本ブログは日々のアクセス数が1,000程度となり、先の調査では最も上位にランクされる。おそらく上位1%ぐらいにランクされるのではないかと思うが、それでも年間20万円をアフィリエイトで稼ごうと思うと少なくともアクセス数がさらに10倍にならないと駄目だろう。GIGAZINEの『グーグルは今のままでは日本人の人生を変えることはできない』に示されているように、日本のアフィリエイト市場は海外と比較してまだまだ小さく、クリック単価も低迷している。この環境下で満足な収益を上げるためには、アクセス数がよほど多くなくてはならない。結局、この裏技が利用可能なのは、アルファブロガーと呼ばれる人々を含む極一部に留まると思われる。はてなユーザが30万人、その0.1%程度として300人となるがこの数字も大きすぎるだろう。年間20万稼ぐ人が3桁もいるとはとても思えない。

結論として、この裏技はハードルが高すぎ、まねしようと思ってもまねられるモノではない。必要経費の計上が20万円という気の遠くなるような莫大な収益を上げなくても認められるのならば、年間数十万円の節税効果がうまれるのだが、そのような法改正がなされる予定は無い。ブログを書くことで金銭面で生活を豊かにすることはちょっと骨が折れそうだ。ブログを書く意味を金銭面に求めるのではなく、その他の知的好奇心の探求とか、コミュニケーションとかプライスレスな部分に求める方が有意義だろう。