キッコーマン感謝決議案

産経新聞が伝えたところによれば、米議会にキッコーマンを称える決議案が提出されているという。キッコーマンは米国に50年前に進出、日本の調味料である醤油を米国に普及させた功績が認められたものらしい。

 キッコーマンが、両州の生産拠点を通じて米経済の活力向上や、しょうゆ、照り焼きソースなどを通じた食文化に貢献してきたことや、社と1000人の従業員が続けてきた教育・文化活動を評価し、50年の米国での活動を称賛する内容。

 キッコーマンは1957年6月、サンフランシスコに販売会社を設立。日本企業として戦後の米国進出の草分け的存在だ。米国を含めて海外での醤油類販売量は約15万1000キロリットルに上る。「ソイソース」としてスーパーやレストラン、家庭の食卓など米国人の食生活に定着、最近の日本食ブームで一段と存在感を増している。

http://sankei.jp.msn.com/world/america/071003/amr0710030901002-n1.htm

全く市場がないところに参入し、以後50年にわたり米国における醤油市場を育ててきたキッコーマンの貢献は確かに素晴らしい。実際、今日米国のどこのスーパーでも醤油(あるいはそれに類似した何か)を購入することができるのは、キッコーマンの努力あってのものだ。キッコーマンは確かに称えられるだけの功績を納めたのだろう。

ただし、米議会の決議案にどれだけ価値があるかは疑わしい。月100本もの決議案が飛び交う状況でまともな精査など望むべくもないのが実情だ。かんべえの不規則発言にその一部が掲載されているが、そこから抜粋すると次のような感じだ。

  • H.Res.121: 慰安婦決議
  • H.Res.208: 微笑み運動の設立25周年を称える決議
  • H.Res.287: アメリカという言葉が初めて使われた500周年を祝う決議
  • H.Res.427: カナダ政府に対し、商業アザラシ漁を止めさせるように求める決議
  • H.Res.467: 英国の大学連盟が、イスラエル学術界のボイコット支持を決めたことを非難する決議
  • H.Res.497: 中華人民共和国政府は、ただちにRebiya Kadeerの子供とカナダ市民Huseyin Celilを禁固から開放し、ウイグル人民に対する文化的、言語的、宗教的な抑圧を慎むべきであるとの下院の意思を表示する決議

以前にも「メジャーリーグで活躍した選手の模範、イチローを賞賛する決議案」、「毎朝牛乳を飲むことを国民に呼びかける決議案」、「ブロッコリーは美味しくて、健康によい事を国民に呼びかける決議案」などを議決してきた米議会。なんだか、それぞれの議員が自国他国を問わず気になったことを好き勝手に主張するだけという印象だ。キッコーマンには申し訳ないが、あんまりまじめに捉えるべき性格のものでは無いようだ。