スマートフォンの常識を覆す「iPhone」だが

Internationl CESの裏番組として開催されたMacworld 2007(表より強力という話も)。大方の予想を裏切らずApple TViPhoneが発表されたが、個人的にはやや残念な印象を受けた。Apple TVは単にiPodのデータをTVで見られるようにするだけの端末に見える。パソコン用ディスプレイのみで大画面TVを所有していない筆者にとっては無用の長物に過ぎない。

一方、iPhoneは全面タッチパネル液晶の洗練されたデザインが魅力的ではあるが、320x480という解像度はFOMA N903iの480x690に比べても狭く日本語環境におけるフルブラウザ表示には心許ない。何より、物理的なキーが存在しないので文字入力が快適に行えるとは思えない。Safariベースのブラウザを備えているとはいえ、従来のiPodと同様にAVコンテンツの視聴を主体とする利用を想定しているということだろう。

筆者はどちらかといえばモバイルでも快適にWebブラウジング可能な端末を欲しており、たとえばW-ZERO3のほうがニーズを満たしてくれそうだ。ただ、iPhoneは、強力なCPUによるきびきびとした動作、8GBという大容量メモリ、IEEE 802.11b/gやBluetooth 2.0などのサポートなどW-ZERO3にはない魅力的な機能を備えているので、iPhoneの登場に触発された日本メーカーが使えるPDAスマートフォンをどんどん投入してくれることを期待したい。

日本国内では海外で主流のGSMが利用できないため、iPhoneの投入は未定である。iPhoneの投入が保留されている間に、日本メーカーには奮起してもらいたいところだ。