こことぞばかりに叩きあうマスコミたち

毎日新聞ねつ造番組 報道機関を名乗る資格がないと題した社説の中で関西テレビを厳しく糾弾、フジテレビについて報道機関と言えるのか、公共性を語る資格があるのかと疑問を投げかけた。その中で次のように記している。

テレビ番組をめぐっては、やらせや視聴率操作などの問題がこれまでも続いたが、ねつ造が引き起こした社会的な影響の大きさという意味から、今回の番組は特に悪質だ。新聞でいうなら社長が辞任に追い込まれた朝日新聞の「サンゴ事件」に匹敵する。

さりげなく朝日サンゴ事件を引き合いに出し、ライバル社にチクリとやることを忘れない。さすが毎日新聞である。

さて、その朝日新聞のほうだが、今回のスクープは週刊朝日「発掘!あるある大事典II」納豆ダイエット「ウソだった!」というスクープ記事であった。週刊朝日関西テレビに2週にわたり複数項目からなる疑問点を列挙した質問状を送付、最終的に関西テレビを週末の電撃謝罪記者会見に追い込んだのである。

朝日新聞ポッドキャスト「納豆ダイエット」捏造をスクープ!事実はいかに解明されたか」では、事実解明の過程とずさんな実態を紹介している。取材に基づく数々の疑問点(というより言い逃れの出来ない捏造の証拠)を列挙した2回目の質問状は、1日間というきわめて短い回答期限を設定した事実上の最後通牒であった。関西テレビは結局締切までには満足な回答を行うことが出来ず、翌日催促の電話を何度か入れていると「その件については今日の夕方会見をします。がちゃり」という電話連絡をよこしたそうだ。礼を失した対応を非難すると「こっちだって大変なんです!」と逆切れされたそうだが、関西テレビ社内の混乱が目に浮かぶようである。

後は、報道されているとおり番組の内容が捏造で固められたものであることが次々と明らかにされた。今回は、普段フジサンケイグループ産経新聞に扱き下ろされている、朝日新聞が溜飲を下げた格好だ。しかし、朝日放送の科学の皮をかぶった情報番組も叩けば埃が出ると思うので、叩き過ぎは自分の身を滅ぼすのではなかろうかと、他人事ながら心配である。