弁護士に槍玉に挙げられ、放送倫理機構の権限が強化されても、オーラの泉はゴールデンに進出するのか?
J-CAST ニュースによれば、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、霊界や死後の世界をまことしやかに取り上げる低脳極まるテレビ番組が、霊感商法やカルト宗教被害の素地になっているとして、行き過ぎた番組内容の改善を求める要望書を提出した。
要望書は、「霊能師と自称する人物が一般には見えない霊界やオーラを見えるかの如く断言し、それをもとに様々な指摘をされるタレントがそれを頭から信じて動揺したり感激してみせるような番組」や、「占い師がタレントの未来を断定的に預言し、言われたタレント本人や周囲の人がこれを真にうけて本気で応答しているような番組」がたびたび放送されているとしている。
当日記でも過去3回にわたり取り上げてきた番組が槍玉に挙がっているらしい。
- 2007-01-26: スピリチュアル・カウンセラーなんていう詐欺師をのさばらせ、潜在的な詐欺の被害者を量産するテレビ局
- 2007-02-02: 結局、イカサマ霊能師の手口なんてどれも同じ
- 2007-02-14: 詐欺師を臆面も無くゴールデンに出演させるテレビ局
もう一つ言及されているのは誤った参拝作法を広めた占い師のほうか。こんな詐欺師どもはまとめて刑務所に放り込んでもらいたい。
こんな幼稚な嘘を信じる視聴者も視聴者だが、詐欺師と共謀して虚構を作り上げ、嘘だと分かった上で放送するテレビ局もテレビ局だ。残念ながら放送局にはまともなコンプライアンス意識がないようである。視聴率さえとれるなら嘘だろうが詐欺だろうがやらせだろうが勝ちなのだ。無垢な視聴者を騙して平均1,500万の高給を取っていると思うと腹が立つ。詐欺師をぶくぶくと肥えさせる世の中はどこか間違っているに違いない。
要望書ではこのような番組は社会的経験の乏しい未成年者や若者、主婦層の人々に、占いを絶対視し、霊界や死後の世界を安易に信じ込ませてしまう事態を招き、霊感商法や宗教的カルトの勧誘を容易にする素地を作っていると指摘している。早い話が、テレビが詐欺の片棒を担いでいるのだ。2005年に連絡会や消費者センターに寄せられた霊感商法の被害は約1,000件で、総額約28億円に上るという。この被害の賠償を放送局に求める集団賠償訴訟を起こすのが得策な気がする。懲罰的賠償も含めて100億ぐらいの賠償命令が下れば、いくらコンプライアンス意識のない会社でも悔い改めるだろう。いっそのこと1,2局潰してしまうのもいい考えだ。Jリーグのように毎年入れ替え戦ができれば良いのだが。
朝日新聞が伝えたところによれば、NHKと日本民間放送連盟、BPO/放送倫理・番組向上機構の3者がBPOの機能を強化することで基本合意し、BPOに嘘の番組を放送した放送局に対し再発防止策の提出を求める勧告や見解を出す権限を与えることが発表された。弁護士連絡会が『オーラの泉』の番組内容の改善を求める要望書を提出し、あるある問題をうけて放送倫理機構の権限が強化される状況では、まともなコンプライアンス意識を持つ経営者なら、槍玉に挙がった『オーラの泉』をゴールデン枠に移すなんて暴挙には出ないはずだ。
さて、ここで問題です。テレビ局の経営者は果たしてまともでしょうか?