∞プチプチはプチプチつぶしの欲求に答えられるのか?

LM-72007-06-25


バンダイはプチプチを潰した感覚をホンモノそっくりに再現したキーチェーン型玩具∞(むげん)プチプチを発表した。表面の気泡の粒を指で押すと、プチプチとはじける感触を味わうことができ、内蔵されているスピーカーから出る効果音で、本物のプチプチをつぶしているかのような感覚を楽しめるという。全5色、各819円だ。

ムゲンプチプチ ホワイト

ムゲンプチプチ ホワイト

ムゲンプチプチ ブラック

ムゲンプチプチ ブラック

ムゲンプチプチ ピンク

ムゲンプチプチ ピンク

そもそもプチプチは川上産業株式会社登録商標である。ポリエチレンの膜で空気を包み込んだ、無数の気泡をシート状にした緩衛材であり、シート状なので、包装対象物の形状に左右されず、どのようなものでも安心して包むことができる。さらに、断熱効果もあり、様々なものの包装に利用されている。

特に今回話題を集めたのは、プチプチには約1万個に1個の割合でハート型の粒が含まれていると言う新事実であり、手近にあるプチプチを思わず調べてみた人も多いだろう。これは、ハート型の粒を見つけた人に「プチラッキー」を感じてもらいたいという演出のようで、たしかにマユゲ付きのコアラのマーチよりはレアそうだ。

さて、∞プチプチの機能としてはホンモノそっくりのプチプチつぶしを無限に楽しめるということだが、Wikipediaによれば、プチプチつぶしには、気を紛らわしたり、ストレスを発散する効果もあり、ポリエチレンの袋を破る軽快な音と、無数に繰り返される動作に中毒性があるとされている。TBS系バラエティ番組「脳力探険クイズ!ホムクル」で紹介された実験によれば*1生まれてプチプチを一度も見たことのない赤ちゃん(2歳)が見てつぶしたとか、世界中でつぶされまくっているとか、伊豆シャボテン公園のチンパンジーくんで実験したところ、めちゃめちゃハマったという実験結果があるそうだ。海外のプチプチファンサイトVirtual Bubblewrapプチプチつぶしシミュレータを見ても、プチプチつぶしが世界的な娯楽であることが分かる。英語版Wikipediaには次の記述がある。

Bubble wrap is used by some as a distracting amusement or stress relieving activity. These people enjoy popping the plastic bubbles and listening to the sound that it makes. The noise is created when pressure is exerted on the small hemisphere of air and the high pressure eventually breaks the plastic barrier. This practice has even spawned a website in which one can move the mouse cursor over "virtual bubble wrap" and hear it pop.

プチプチは気晴らしやストレス解消のためにも利用される。人々はプチプチを潰してその音が鳴るのを楽しむ。プチプチの音は小さな空気の半球に圧力が加えられ、最終的に圧力がプラスチックバリアを破壊した時に発生する。マウスカーソルで仮想的なプチプチをつぶして音を楽しむwebsiteも誕生するなど、プチプチつぶしの楽しみは広がっている。

Bubble wrap - Wikipedia

Wikipediaでは、プチプチのつぶし方として次の3手法が挙げられている。

  • シートを持ち、エアキャップの一つ一つを親指と人差し指ではさんで潰す(基本形)。
  • シートをテーブルなど平らな面に置き、人差し指などで押して潰す。
  • シートを雑巾のように絞り一気に大量に潰す。

雑巾絞りのように潰す方法は、想像する分には一度にたくさんのプチプチを潰せて気分爽快になれそうな気がするが、プチプチつぶしの肝とも言える軽快な音が死んでしまうので、筆者は好きにはなれない。プチプチのあのつぶれる感覚と軽快な音がどれだけ再現できているかが∞プチプチの価値を決めることになるだろう。こればっかりは実際に触って確かめてみるしかないだろう。

川上産業株式会社はプチプチ文化研究所というぷちぷち研究機関を運営しているし、2006年にはプチプチを1冊丸ごと紹介したプチプチ OFFICIAL BOOKの発売も行っている。プチプチを4tトラックで踏んだらどうなるか?やプチプチでどれだけのヒマがつぶせるか考察したコラム等が掲載されているようだ。また、販促グッズ、PR素材、コミックなど様々な場面で利用されるプチプチの活用例の紹介も行われているようだが、筆者が知る限り最も馬鹿らしいプチプチの利用方法は、ぷちぷちディスプレイ方式VSSTである。シアン・マゼンタ・イエローの3色のインクをプチプチに注入することでカラー表示を実現した画期的ディスプレイだが、1スキャンラインの表示に1日かかるという致命的欠点があるようだ。

また、8月8日がプチプチの日であるという。プチプチの日の制定目的としては、プチプチが環境負荷の低い素材ということと、プチプチの新しい可能性を、広く一般消費者の方に知ってもらうためとの事だが、今回の∞プチプチの発売がプチプチの魅力を広く世間に知らしめ、プチプチの思いがけない活用方法が発明されることを期待したい。

*1:TBSのバラエティ番組なので信憑性は不明