Logicool MX620 Cordless Laser Mouse

LM-72007-06-24


Logicoolから22日に発売になった無線レーザーマウスMX-620を購入した。それまで、同じくLogicoolの無線光学マウスMX-700を利用していたのだが、どうも最近挙動が不振なのと、赤外形式のため可動範囲が1m以内とちょっと離れると利用できない点が不満で、今回の購入となった。ITmedia +D PC USERにもレビューが挙がっている。

追記:MX-620のフリースピンは2ヶ月で回らなくなるので購入の際には注意することをオススメする。

LOGICOOL ワイヤレスレーザーマウス ワンタッチ検索ボタン搭載 MX-620

LOGICOOL ワイヤレスレーザーマウス ワンタッチ検索ボタン搭載 MX-620

MX-620のスペックを列挙すると次の通りだ。

  • 高性能レーザーによる高精度のトラッキング
  • 可動範囲10mの無線方式
  • 最大1年の電池寿命
  • カスタマイズ可能なボタンが6(左右チルトスイッチも入れれば8)
  • ハイパーファストスクロール機能で超高速スクロール可能(2ヶ月で壊れる

まずレーザーによるトラッキングだが、筆者の環境では特に光学マウスとの違いは感じられなかった。環境にもよるのかも知れないが、たまにマウスの動きにカーソルが追随してくれないことがあってストレスがたまる。これらはMX-700にも見られた現象なのでLogicool製品に共通してみられる現象なのかも知れない。

無線による可動範囲の延伸は確実に感じられる。筆者は本体と別場所に2ndモニタを配置、その前でマウスだけもってインターネットブラウジングを行うことが多いのだが、多少離れてもマウスがストレスなく利用できる。赤外方式だとすぐに制御不能になるのだが、この点では無線方式のメリットが出ている。一方で同じ周波数帯を利用するワイヤレスヘッドホンとの共用時に干渉し、操作不能になるという不具合もある。これはヘッドホン側の周波数を変更できれば回避できるが、そうした機能を有していない機器と併用する時には注意が必要だ。特にSONY MDR-DS6000との併用時には、極めて高い頻度でマウスが操作不能になる。これを防ぐには、それぞれのレシーバーを離れたところに配置するなどの工夫が必要だ。はっきり言って筆者の環境ではかなり使い勝手が悪い。

電池寿命については利用してまだ1日なのでよく分からないが、充電無しで1年持つとすれば非常に便利だ。MX-700には専用の充電スタンドが付いていて、毎日充電する必要があった。そしてたまに充電するのを忘れるとすぐにバッテリ切れとなってしまった。最近は充電池をeneloopに変えたので幾分ましになったがそれでも充電を意識しないと利用できなかった。ところが、GX-620は単3電池二本で1年間稼働するという。充電の手間が要らなくなっただけで、かなり見えない部分の利便性が向上している。

カスタマイズ可能なボタン数は6。MX-700が8個のボタンを搭載していたことを考えると2個も減っている。前モデルのMX-610が10個搭載していたのだが、Logicoolはボタン数の削減を推進しているようだ。個人的に「バック」と「フォワード」のナビゲーションキーは必須なので、あと通常利用する左右ボタンを外せばカスタマイズして利用できるのは「検索ボタン」と「ホイールボタン」の2つだけだ。「検索ボタン」は文字列を選択してクリックすると任意の検索エンジンで選択文字列を検索するというものだが、使ってみると存外便利だ。Firefox等では右クリックメニューから任意の検索エンジンで検索が行えるが、右クリック→メニュー選択という流れがワンボタンになるだけでかなり利便性が向上する。

筆者はFirefoxに対して、「左チルト」をCtrl+W、「右チルト」をCtrl+F12キーに割り当てている。左チルトは今開いているウィンドウを閉じるのに、右チルトは閉じたウィンドウを再度開くのに利用している。いちいち×ボタンを押さなくてもウィンドウを閉じたりまた開き直したりできるのは便利だ。エクスプローラでも同様のことがやりたくなるが、閉じたウィンドウを再度開く手段が用意されていないので、残念ながら同様の操作は実現できない。

キー割り当て時の注意として、Ctrl+W、Alt+F4など、修飾キーとの同時押しによるショートカットを割り当てて、アプリケーションを閉じた場合、CtrlやAltなどの修飾キーが有効になったままになってしまうという問題が発生する。たとえばAlt+F4をキーに割り当てて、それでアプリケーションを終了させると、Altキーが入ったままになるので、アイコンのドラッグなどが出来なくなるなどの問題が発生する。この問題を回避するには、キーストロークではなく、予めSetPointに用意されている「閉じる」等の機能を代わりに割り当てるか、アプリケーションを閉じないようにする必要がある。筆者はFirefoxでCtrl+Wをタブを閉じる操作に割り当てているが、同時にTab Mix Plusのオプションで「キーボードショートカットで最後のタブを閉じたときウィンドウ自体は閉じない」のチェックを有効にすることで、アプリケーションが終了することを防いでいる。

ハイパーファストスクロール機能による超高速スクロールは、使う前はどこで使うのかよく分からなかったが、使ってみるといろいろ使い道がある。たとえば、100件ぐらいたまったRSSリーダーの未読一覧を高速でスクロールしたり、大量のデジカメ写真をIrfanviewで高速で切替ながら見たりと、大量の情報をざっと見て必要な情報を探し出すのに便利だ。高速スクロールで文字を読むのは大変なので画像の切替に利用する方がメリットがわかりやすい。iPodにおいて写真をホイールパッドで高速に切り替えて閲覧する時の感覚だ。ハイバーファストスクロール機能のフリースピンモード(超高速スクロール)/クリック・トゥ・クリックモード(通常)はマウス底面のスイッチで切り替えるようになっているが、アプリケーションに従って自動的に切り替わるとより便利だっただろう。筆者は常にフリースピンモードを利用している。

MX-620は前モデルよりも安価な価格設定がなされているが、ハイエンドモデルしか搭載されていなかったハイパーファストスクロール機能を搭載するなど、機能的には妥協はない。無線送信、電池寿命などマウスの基本的な部分できちんと改善が進められており、古いマウスを利用している人は乗り換える価値が十分にあると思う。惜しむらくはボタン数の減少だが、ボタン数が必要な人はMX-620の登場で安くなったMX-610ないしはMX-610BKを購入すればよいだろう。

追記

MX-620のフリースピンは2ヶ月で回らなくなるという不具合が報告されている。実際、筆者も購入2ヶ月後に新品交換となった。サポートの対応が悪く、故障品を送付して交換品が送られてくるまで軽く1ヶ月はかかるので、購入時には注意を。