結婚のために妥協する女性達

【独女通信】女は妥協して結婚するによれば、実際に結婚した女性のうちおよそ80%に及ぶ人が、「結婚相手に求める条件を妥協して結婚した」と回答している。結婚するためには妥協が不可欠なのだ。年齢別に見ると、年齢が上がるに従って妥協の度合いが上がっていくことが如実に表れており、興味深い。

結婚相手の条件で妥協したポイントは?(既婚女性のみ抽出)

<10代>
1位 容姿 36.1%、2位 性格 33.3%、3位 妥協なし 25%、(中略)
12位 愛情 11.1%(中略)、14位 浮気癖 5.6%

<20代>
1位 性格 31.7%、2位 容姿 26.8%、3位 価値観 24.1%、(中略)
7位 愛情 15.2%(中略)、15位 浮気癖  5.8%

<30代>
1位 性格 29.7%、2位 容姿 25.3%、3位 価値観 22.8%、(中略)
6位 愛情 15.9%、(中略)、15位 浮気癖  4.2%

http://news.livedoor.com/article/detail/3246302/

女性の結婚行動に関しては所得分布と初婚行動で次のようにまとめられている。

我が国における結婚行動は、20 代前半についてはほぼ乗り換えモデルで説明可能である。20 代後半については、乗り換えモデルとBecker モデルが混合している。30 代以降については乗り換えモデルもBecker モデルも適合しない。

20代前半までの女性の結婚行動は、乗り換えモデルで説明が可能だ。この年代の女性は親と同居している割合が多く、父親の所得と母親の家事サービスを享受している。このような状況下では、結婚相手は父親の所得と母親の家事サービスを失ってもなお余りあると女性に思わせない限り結婚できない。10代女性において妥協無しとの回答が25%にも及ぶことから明らかに、10代から20代前半では明らかに女性優位の結婚が行われる。

20代後半になるとBeckerモデルによる結婚が多くなってくる。Beckerモデルは、経済学的な費用-便益の枠組みによって結婚行動を説明するもので、簡単に言えば経済的合理性から結婚を選択するのだ。女性の妥協ポイントで、年齢とともに愛情の割合が優位に増加しているのは、愛情よりも金を選択した結果かもしれない。もっとも妥協ポイントにおいて「経済力」はどの年代においても5位で結構高めになっており、お金がすべてでは無いことを示している。

30代になると、俄然男性優位の結婚が行われる。男性は年齢とともに収入が上がっていくため自身の価値を上昇させるが、女性は加齢とともに美しさを減じ、自身の価値を下げる場合が多い*1。もちろん、女性に関しても収入の増加は価値の上昇につながるが、男性に比べて収入の多寡の重みが低く、容姿の重みが大きい。その結果、女性は年齢を経るに従い、どうしても妥協の割合を大きくしなければ結婚できないことになる。これは男性とは対照的といえる。

ところが20代と30代の女性の妥協ポイントを比較するとほとんど同じで、むしろ30代女性の方が辛めになっていることがわかる。これはつまり、妥協してまで結婚する意味が昔ほど無くなってきたことを示していると思われる。30代まで独身を続けた女性には、妥協を重ねて結婚するぐらいなら、むしろ一生独身でもいいと考える人が多いと言うことだろう。

一方男性にとっては、20代の女性も30代の女性も結婚難易度はほぼ同レベルということなので、20代の女性をターゲットにした方が成功率が上がると言うことになる。結果として30代以降の女性はますます結婚相手を見つけることが難しくなるわけだ。この構造を考慮すると、20代の段階でもう少し結婚相手について妥協するようにした方がよい気もするが、結婚することが幸せに直接つながるわけでもなく、個人の判断にゆだねられるべきだろう。

*1:この部分の表現は直截的過ぎるかもしれないが、女性を侮辱する意図は無いことをご理解いただきたい