横領は立派な犯罪です

大阪の地下鉄には「痴漢は立派な犯罪です」なんていう掲示があるわけだが、別地域から来た人にはなぜそんなわかりきったことをイチイチ言う必要があるのか?と奇妙に見えるようだ。そもそも犯罪に立派もスリッパもあるものか。もちろん痴漢は純然たる犯罪であり、罪を犯した者は厳正たる処罰を受けねばならない。こんな当たり前のことを提示しないといけないのは、モラルが極端に低下し、当事者に犯罪の意識が希薄な場合だ。

社会保険庁自治体職員が年金保険料や給付などを着服した総額が2007年9月5日現在で3億4000万円にも上っている問題で、舛添厚生労働相は「横領したような連中はきちんと牢屋に入ってもらいます。今からでも刑事告発してやろうかと思って」と、横領などの犯罪を犯した犯罪者を厳正に処罰するという当たり前の方針を述べた。

社保庁職員による横領が判明したのは50件、1億4000万円あまりに達したが、刑事告発したのは27件にとどまる。舛添氏によると、処分の公表を始めた98年以降の20件はすべて刑事告発したが、それ以前は十分な資料も残っていないという。「ひどい話。めちゃくちゃなんです。私がそのとき大臣だったら、もっと厳しく処分していただろう」と述べ、97年以前の処分状況の調査を指示した。

http://www.asahi.com/politics/update/0904/TKY200709040422.html

舛添氏は「いい加減にしか処分していないなら、話にならない。泥棒したやつがぬけぬけと役場で仕事をしていていいんですか」と至極真っ当な意見を述べている。こんな小学生でも分かりそうなことが、当事者たる社会保険庁自治体には分かっていないのが現状なのである。

社会保険庁の担当者は実態調査に関して次のように述べている

Q. 追加で調査をする予定は?
A. 今のところはそういう要請をされていませんので、今ただちにやるという予定はありません。

Q. 現在ではそのつもりはないのか?
A. はい。手間がかかる話ですので

まったく人事である。手間がかかるから国民の財産を搾取した犯罪者を野放しにするというのか。社会保険庁の全部署には次の標語の掲示を行うべきであろう。

横領は立派な犯罪です