CDよりLPの方が音質が良いことは科学的に検証されている
( ;^ω^)<へいわぼけ: レコードのほうがCDよりも音がいいとか言ってる奴は耳が腐ってるんじゃねーの?では、LPの方がCDより音がよいということに対して、懐疑的な見方が支配的なようだ。しかし、残念なことに科学的検証を無視して自分の意見を書き散らすだけのスレッドになってしまっている。通常2ちゃんねるでは有識者によって適切なソースが示される場合が多いが、タイミングが悪かったのだろうか。
2007年8月15日付エントリ「デジタルコンテンツは現代病を誘発する?」で記したように、CDでは確定的に切り捨てられる高周波成分がもたらすハイパーソニック・エフェクトがコンテンツの魅力を増幅し、ひいては心理的・生理的効果を有することが実験により確かめられている。この事実に対する指摘がなされないのは極めて残念だ。
CDが高周波成分を確定的に切り捨てるのに対し、LPは理論上は高周波成分を記録することができる。しかし、録音機材やオーサリングの過程で高周波成分が失われることもあり、そうした音源を記録したLPにはやはりハイパーソニックエフェクトは生じない。
World Wide Walkerの「LPレコードは本当にCDより優れた特性を持っているのか?」ではLPの情報量の上限について疑問が示されているが、実はこれについても生理学的・感性科学的検証がなされている。
おなじ音楽ソースからつくられたLPとCDとの再生音を対象として、主観的評価と生理学評価とを総合した検討をおこなった。その結果、LP再生音とCD再生音とのあいだ、およびLP再生音とそこから22kHz以上の成分をとりのぞいた再生音とのあいだに、おなじ傾向の音質差が検知された。同時に、LPに豊富にふくまれている可聴域をこえる高周波成分が、脳波α波パワーを有意に増大させることもみいだされた。LP音とCD音とに対する人間の感性的・生理的反応のちがいは、LP再生音に豊富にふくまれる半面CD再生音にほとんどふくまれていない可聴域をこえる高周波成分の誘起するハイパーソニック・エフェクトが主たる要因になっている可能性がたかい。
ただし残念ながら、先にも言及したとおり、LP音源によってハイパーソニック・エフェクトが発現するのは、それが適切な機材で適切に製作されている場合に限る。平成17年度ハイパーソニックデジタル音響システムに関する調査研究報告書−可聴域上限を超える高周波成分によるハイパーソニック・エフェクトとその応用にむけて−には次のように記載されている。
これまでの研究において、ハイパーソニック・エフェクトを発現させる音は、瞬間的には100kHz をこえる豊富な高周波成分を含んでいることが示されている。そこで100kHz という周波数帯域をひとつの指標として調査した結果、100kHz 以上の周波数成分に十分な水準で対応している機材やコンテンツはきわめて少なく、ハイパーソニック・エフェクトへの対応には大きな課題が存在していることが見出された。
いい加減な機材でいい加減に製作された音源を聴いて、LPのほうがCDより音が良いと言っているならば、その妥当性に議論の余地があるだろう。しかし、適切に製作された音源を比較した場合、LPのほうがCDより音質が良いということに関しては議論の余地はないように思われるのだ。