ジャスコで投票が可能に
毎日新聞が伝えたところによれば、イオンは全国各地のショッピングセンターを、選挙の投票所として無料で開放する方針を明らかにした。既に総務省から了承を得ており、近々ジャスコで投票を行うことが可能になるかも知れない。
イオンのショッピングセンターは週末1日あたり1,000万人の集客力があるとされ、買い物ついでに投票が行えるのなら、普段投票に行かない人も投票する可能性が高まる。ショッピングセンターは駅前などの交通の便の良い所にある場合が多く、郊外にある場合でも駐車場が完備されているため、むしろ街中の小学校などよりアクセスが良い場合もあるだろう。投票に対する障害が確実に小さくなり、投票率の向上が期待される。
一方、イオンに取ってみれば、投票のついでの買い物を期待することができ、無料で開放しても十分に元が取れると踏んだのだろう。わざわざショッピングセンターまで来たからには少し買い物していこうかと思うのが人の心理である。イオンで上手くいけば、ダイエーやイトーヨーカ堂なども追随するかも知れない。
ただ、イオンの創業家は岡田克也民主党元代表の実家であることにも注意する必要がある。森元首相が「無党派層は寝ていてくれればいい」と発言して批判を浴びたように、一般的に投票率が上がるほど野党が有利になり、投票率が下がるほど自民党が有利になると言われている。民主党としては投票率を上げることが、自身の得票を伸ばすことに繋がるわけだ。
さて、ジャスコが投票のついでに買い物してくれた人に5%引きサービスといったキャンペーンを投票日に行うとしたらどうだろう。投票率の向上とともに、民主党の得票が増加することが期待される。キャンペーン対象商品を注意深く選べば、民主党の支持基盤である都市型無党派層のみを選択的にジャスコに誘導することも可能かも知れない。
投票日の何日も前に戦いは始まっているのである。