カスタムメイドコンタクトレンズの価値

眼の形状、大きさは人によって千差万別である。その一方、コンタクトレンズは一定の規格に従って製造されているため、最大限適合するものを選択したとしても、若干の不適合が生じる。この不適合が異物感や充血などの原因となる。

サンコンタクトレンズが提供するカスタムメイドコンタクトレンズは、一人一人の眼に徹底的にあわせたコンタクトレンズである。作成方法には画像解析オーダーとデザイン指定オーダーの2通りがあるが、画像解析オーダーの場合には、角膜形状の画像撮影、画像解析によるデザイン設計、レンズとフィッティングの確認という手順を経る。

このように何種類かの規格の中から眼にあったものを選択するのではなく、個々の眼にあわせてレンズを設計するのである。レンズの装用開始後も、レンズ周辺部を削り磨くデザイン調整によって眼にあわせることができるようだ。こうした手順によりカスタムメイドコンタクトレンズは、間違いなく通常のレンズに比べて、より安全で、快適なレンズとなる。

レンズの種類としては以下が選択でき、特性によって使い分けることができる。サンコンマイルドEpiは、従来のハードレンズに比べて角膜上皮への障害が少なく、サンコンマイルドIIは、生体親和性や濡れ性に優れている。サンコンマイルドパームは酸素透過性を重視したモデルだ。


耐久性汚れ酸素透過性新規価格スペア価格
サンコンマイルドEpi29,400円24,150円
サンコンマイルドII26,250円21,000円
サンコンマイルドパーム29,400円24,150円

しかしながら、普及の最大の課題はその価格である。上記の新規価格およびスペア価格はカスタムタイプ1枚あたりの価格であり、両眼だと2倍になる。手順が増えているので仕方ない面もあるが、両眼でおおよそ6万円の出費となるわけだ。通常のハードコンタクトレンズが1万円を切る中にあって3倍以上の価格差はなかなか手を出しにくい。円錐角膜、角膜移植後等通常のレンズの装着が困難な人などカスタムメイドコンタクトレンズでなくてはならない理由を持つ人を除いて、コストに見合う効果が得られるか微妙な感じがする。使い捨てレンズを常用している人ならば何年か使えばペイするだろうか。

また最近はレーシック手術料も低価格化が進んでおり、両眼で10万円程度まで下がっている。カスタムメイドコンタクトレンズに6万円払うのならば、レーシック手術に10万円払う選択をする人も多そうだ。カスタムメイドコンタクトレンズは確かに優れた商品だが、他の選択肢との比較を通して、十分に吟味した上で購入する必要があるだろう。もう少し安くなるとよいのだけど。