SONY MDR-DS6000

筆者の部屋は壁が薄く、スピーカーで音を出そうモノなら近隣への迷惑となるため、ヘッドホンの利用が欠かせない。ヘッドホンではどうしてもコードの扱いが煩雑になりがちで辟易していたこともあり、ワイヤレスヘッドホンを物色していたのだが、最近SONY MDR-DS6000を購入したので、その使用感などをレポートしたい。

参考にしたのは例によって2ちゃんねるで、コードレスヘッドフォン総合スレ Part6およびワイヤレスヘッドホンまとめが大変参考になった。ワイヤレスヘッドホンの選定に当たって、まず第一に注目すべきは伝送方式である。安価な機種ではアナログ赤外線を利用しているが、アナログではノイズが載る上、頻繁に切れるので値段相応と割り切ることができる人以外はおすすめできない。ワイヤレスヘッドホンまとめでまとめられているヘッドホンはすべてデジタル方式で、2.4GHzデジタル無線形式と、デジタル赤外線形式の2方式があることがわかる。デジタル形式ならば利用中にノイズが入ることはないので*1、今ワイヤレスヘッドホンを購入するならばデジタル伝送方式を採用した機種を選択すべきであると思う。

2.4GHzデジタル無線形式のほうが伝達距離が長くなるので(30m)、SONY MDR-DS6000を選択した。18,000円を切るバーゲン価格で入手できたことも大きい。なお、筆者はモデル選定に当たり、音質をほとんど意識しなかった。筆者の聞く音楽ソースはMP3などでエンコードされたモノでありそもそも良くないし、筆者の耳はいい加減にできているのでヘッドホンの音の善し悪しなんて判断できないからである。週刊 デバイス・バイキングのレビューを見るとそれほど悪くない音質のようだ(有線のヘッドホンと比較してはならない)。

SONY 5.1chデジタルサラウンドヘッドホンシステム MDR-DS6000

SONY 5.1chデジタルサラウンドヘッドホンシステム MDR-DS6000

さて利用してみるとワイヤレスヘッドホンの威力は絶大で、煩わしいケーブルから解放されたことはかなりポイントが高い。再生中にノイズが乗ることは皆無で、トランスミッタから遠く離れた場所でも音楽を聴くことができる。筆者の環境では残念ながらトイレまでは無線が届かなかったが、部屋の中にいる限りどこでも同じように聞くことができる。

基本的には買ってよかったと考えているのだが、使っている上で気になるポイントもあるので、それについても取り上げたい。

  • 充電スタンドに正しく乗せるのが難しい。
    • 週刊 デバイス・バイキングでも触れられているが、充電をするためにヘッドホンを置く際に、充電端子の接点をあわせるのがなかなかうまくいかない。充電端子のある左ハウジングはかなり注意深く位置を合わせないとうまく充電が始まらない。これはデザインをもう少し工夫すれば解決できる課題だと思うので、SONYには強く改良を求めたい。使うたびにちょっとずつストレスがたまるのはいただけない。
  • バッテリ持続時間が短い。
    • バッテリ持続時間は付属充電池利用時で7時間。1日中使うには足りない。筆者は週末などはほぼ一日中自宅に引きこもっているので、ヘッドホンの利用時間が長くなるのだが、1日保たないというのはやはり不便だ。長時間利用するときには電池入れ替えでしのいでいるが、やはり20時間程度の稼働時間はほしいところだ。その点、PIONEERのSE-DIR2000Cは20時間の稼働時間を誇っている。
    • ちなみに、付属充電池の代わりにeneloopも利用することができるが、付属スタンドで充電可能なのは付属充電池のみなので、eneloopを利用したければいちいちヘッドホンから取り出して充電しなければならない。1次電池を挿入したときに充電しないようにする安全機構であると考えられるが、身の回りの充電池をすべてeneloopに置き換えているeneloopマニアは注意だ。
  • ヘッドホンを装着しても有効にならない場合が多い
    • ヘッドホンを装着すると自動的にヘッドホンの電源が入りサウンドの伝送が始まるが、筆者の場合3回に1回は警告音が鳴り続け、サウンド伝送が始まらない。その場合ヘッドホンを装着し直す必要があるわけだが、実に鬱陶しい。また、PC上の音楽再生などが終了し、5分ほど無音時間が続くとまた警告音が鳴り始める。そんな無粋なことはせず、PCから音が出ているときのみ有効になってくれれば問題ないのだが。
  • 2.4GHzを利用する無線デバイスと激しく干渉する
    • 筆者はLogicoolのMX-620という無線マウスを利用しているが、MDR-DS6000を利用すると、マウスカーソルが動かなくなったり、引っかかるようになる。MDR-DS6000には無線干渉時の周波数再割当機能が付いているが、利用にはスタンドのボタンを押してその後ヘッドホンに付いているボタンを押さねばならず極めて不便だ。ヘッドホンだけで操作できればもう少しましなのだが。ちなみに無線干渉を避けるためには、MDR-DS6000を利用する際に、マウスカーソルを激しく動かし、マウスが利用している帯域をMDR-DS6000が利用しないようにすれば上手くいく場合が多い。もうちょっとどうにかならないものかと思う。

欠点ばかりあげてしまったが、先に述べたように基本的には買って良かったと考えている。コードを排除するという利点は大きく、上記の欠点を補ってあまりある。ただ、まだ発展途上のデバイスであることは確かであり、多くの改良すべき点が残っている。ワイヤレスヘッドホンの購入を検討している人は、上記のような欠点があることを認識した上で購入するのが良いだろう。

*1:ただし、デジタル赤外線形式は対策済みの製品を除き、プラズマテレビに影響を受ける