名前だけのTBSコンプライアンス室
先日取り上げたように、TBSのサンデー・ジャポンの街頭インタビューにおいて同一人物の男性が4回も登場していた件に関連して、TBSは3度目以降は事前に連絡をしてこの男性に出演してもらっていたと釈明していたが、フラッシュ2007年5月1日号ではこの釈明が全くの嘘であった事が報じられており、2ちゃんねるで議論を呼んでいる。
「なぜTBSがあんな嘘をつくのか、まったく理解できません。」
語るのはTBSサンデージャポンの仕込み街頭インタビューに4回も出演していた都内の専門学校学生、市原寛之氏(23)。
フラッシュでは実際に街頭インタビューに登場していた件の男性に接触、TBSの釈明は事実であるか確認を行った。TBSは、事前連絡をしたのは3度目以降であり、発言を誘導するようなことはしていないとしていたが、市原氏によればこれは両方とも事実とは異なるという。
市原氏「最初はたしかに偶然に取材を受けたものですが、2回目以降はすべてディレクターさんからの連絡を受けて秋葉原まで行ったんです。なんで3回目以降、という嘘を発表するのか・・・」
「3回目は柳沢大臣の『2人以上子供を持つことは健全』という発言についてだったんですが、『オタクは女性と関係が持てないわけだから、大臣の言うとおりなら私だって不健全じゃないか』ということを言ってほしいと言われました。4回目は、『加護さん』と言っていたら『「あいぽん」と言ってください』と言われました。」
これこそ発言内容を誘導したり意図的に言わせる『やらせ』である。
この証言が事実だとするならば、TBSは明らかに発言の誘導を行っている。露骨にオタクがするような発言を求めているのだ。こうしてオタクのイメージがマスコミによって形成され、補強されていくのである。やらせ以外の何者でもない。なぜ、すぐばれるような嘘をつくのか、TBS広報責任者の頭の中を覗いてみたい。きっと一面お花畑が広がっているに違いない。
しかし、ここにもTBSの嘘がある。
市原氏「11日にTBSのコンプライアンス室の方から「調査したい」と連絡があって、12日には秋葉原のホテルの喫茶店で会ってすべてを正直に話しました。」つまりTBSは13日には事実を把握していたのだ。
しかも、TBSのコンプライアンス室は釈明会見を行う前に市原氏に接触、上記の事実関係を把握していたという。それなのに「インタビューの1回目と2回目は偶然にマイクを向けたもの。3回目以降は取材日時を伝えた。『やらせ』はおこなっていない。『仕込み』にもあたらない」といけしゃあしゃあと発表するTBSとは何なのか? コンプライアンス室は仕事をしているのか?
コンプライアンス室なんてたいそうな名前の部署を作り、TBS放送基準などを用意してみたところで、行動が伴わなければ全く意味はない。どうもTBSコンプライアンス室とは単なる苦情受付窓口に過ぎないようで、コンプライアンスに対する取り組みを推進する部署ではないように見える。一般的な企業にあるコンプライアンス室とは性格が異なるようだ。
18日早朝、TBSは情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」の中で、不二家の衛生管理をめぐる問題を伝えた1月の放送内容に誤りや誤解を招く表現があったとして、視聴者に謝罪したばかりだが、どうも謝罪しないといけない事案には事欠かないようだ。
TBSのコンプライアンスに対する取り組みについては、怒りを通り越して呆れるばかりだ。テレビ報道の自由が多少阻害されることになっても構わないので、もうすこしテレビ局の報道・番組制作のあり方ついて、規制を強化してもらいたいところだ。