ナショナル 遠赤外線カーボンストーブ DS-C906

冬の寒さが厳しくなってきて、部屋備え付けのエアコンでは暖房能力に不安があったことから、補助的な暖房器具を物色していた。部屋にガスは引いていないのでガス暖房は利用できず、灯油を扱う煩わしさを考えると石油ファンヒータも好ましくない。というわけで、電気ストーブから候補を絞り込むこととなった。

現時点の電気ストーブとしてはオイルヒーターとカーボンヒーターの2つが候補となるだろうが、特性が全く異なるため用途によって使い分けることが重要だ。単純に言えば、部屋全体を常時暖めたい場合はオイルヒーター、一部だけを素早く暖めたい場合はカーボンヒーターが適している。

オイルヒーター

オイルヒーターはヨーロッパを中心に普及しており、近年日本でも導入が進んでいる。デロンギの製品が代表的だ。密閉された油を加熱しフィンで放熱する輻射熱によって暖める形式で、部屋全体を暖めることができる。電気なので換気の必要もなく、安全で騒音も無く、メンテナンスフリーで利用できる。

一方で原理上カーボンヒーターより効率が悪く電気代が掛かる。また、暖かくなるまで時間がかかるという欠点もあり、基本的に断熱性が高い密閉された部屋で常時利用することを想定した器具だ。優れた暖房器具ではあるが、なんとなく話題だからとかスタイリッシュだからと言う感じで選択すると失敗する可能性が高い。使い方にあわせて選択する必要がある。

筆者は当初オイルヒーターの導入を検討したが、調べてみると筆者の使い方に適合しないためカーボンヒーターを選択した。電気で部屋全体を常時暖めておきたい場合はオイルヒーターが有力な選択肢となる。また、小さな子供やペットのいる家庭ではカーボンヒーターよりもオイルヒーターを選択する方が良い場合もあるだろう。

カーボンヒーター

カーボンヒーターは不活性ガス中に炭素繊維を封入した石英管を加熱することにより発熱させるが、一昔前のハロゲンランプを用いたハロゲンヒーターに比べて赤外線放射効率が高いため、より良く暖まる。ハロゲンヒーターはエネルギーの大半を可視光として放出してしまっていたが、カーボンヒーターはより多くのエネルギーが赤外線領域として放出され、含水率の高い物体を効率よく暖めることができる。少なくとも、現在非効率なハロゲンヒーターをわざわざ選択する理由はない。

カーボンヒーターは発熱体の性能によって効率が変わるが、今回はナショナルのDS-C906を選択した。送料を考慮するとAmazonが最安値で1万円少し。450Wと900Wを切り替えて利用することができるが、一人用のスポット暖房としては450Wで十二分である。スイッチを入れて即座に暖まる上、首振り機能を利用しなければ全くの無音である。


筐体の特性なのか首振り機能を利用すると若干ビビリ音がする場合がある。使っているうちにしなくなったので、慣らし運転をすれば改善されるのかもしれない。デザインはスタイリッシュな縦型で収納時にも場所を取らない。適度な高さがあるため、椅子の横に置いておけば、体全体が暖められる。もう少しコンパクトでも良いかと思ったが、椅子に座った人間を暖めるにはこれぐらいの高さがあった方がよいのだろう。

数日使った印象としては極めて良好で、買って良かったと思う満足度の高い商品だ。カーボンヒーターを検討する場合の有力な選択肢となるだろう。2ちゃんねるのスレッドを見ても、450W運転でも他社の600W(ハロゲンかカーボンかさえ不明)より暖かいと言うレスがあり、効率も優れているようだ。

419 名前:目のつけ所が名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/06(木) 21:30:07
  今まで正体不明の中国製電気ストーブだったが
  壊れたので奮発してナショナル DS-C906を買ってきた
  
  (カチ)
  ・・・お?
  おお!?
  おおおおお!!!
  
  450Wでも今までの600Wよりも明らかに温い!
  評価が高いのもうなずける
  唯一の欠点は熱の出る角度が狭いことかな
  首振りを使えって事なのかもしれないけど
カーボン

カーボンヒーターはあくまで補助暖房であり、これで部屋全体を暖めようとするのは無理がある。部屋全体を暖めるならばオイルヒーターを選択すべきだ。一方で、パソコンデスクの周辺だけ暖めればよいのであれば、カーボンヒーターは極めて使い勝手の良い暖房器具だ。電気ストーブの導入を考えている人は参考にしてほしい。